本日の物件は、基礎工事中の「東京都N様邸」です。
建築地は、平野の中にある山や丘陵等に築城された城、いわゆる平山城(ひらやまじろ、ひらやまじょう)の跡地のほぼ山頂に位置しており、建築地がある区画の道路向かいは城址公園になっています。
戦国時代までは、山を利用して築かれた「山城(やまじろ、やまじょう)」が主な防御施設として築かれていましたが、平山城は戦国末期に平地に築かれた「平城(ひらじろ、ひらじょう)」と共に現れ始め、江戸時代後期までに多く築かれました。
山頂の山城と麓の城下町が規模拡張して両者が一体化し、大規模な平山城に移行した小田原城が有名な例です。
話が脱線しましたが、その様に歴史のある地域を建築地とするお住まいの工事が進んでおります。
全体画
立ち上がりや地中梁の基礎配筋が組まれ、ベースのコンクリート打設直前です。
深基礎と地中梁
平山に位置する敷地の為、前面道路が坂道となり、その高低差を解消する為に建物の外周部の基礎の一部を深く掘り下げた深基礎を計画しました。
また、ベタ基礎にすれば良いわけではなく、建物の構造計算と同様に行う基礎計算を行い、建物内部の必要な個所の地中を掘り下げて配筋を組む基礎の補強(地中梁)が見えます。
先行配管と捨てコンクリート
このお住まいは土間が特徴となり必然的に配管が土間に埋まる為、先行配管になっています。既にコンクリートが打設されている様子が見えます。
ベタ基礎工事の前に、敷地に砂利や砕石を均して5センチ程度の厚みでコンクリートを打設することがあります。これを「捨てコンクリート(捨てコン)」と呼びます。
どの位置に、どの様に基礎のコンクリートを打設するのかを示す「墨出し」をしやすくする為、もしくは基礎を乗せる面を良好な状態にする為のコンクリートとなり、家の強度には関係しないので「捨て」コンと呼ばれています。
アンカーボルト
基礎の立ち上がりの配筋より高い位置まで飛び出しているJ型の金物がアンカーボルトです。基礎と構造部材である柱や土台を固定するとても大切な金物です。