前回のガルバリウム鋼板に続き、住宅に使用される金属で今回はステンレスをご紹介します。
ステンレスは何と言っても錆びにくく、メンテナンスも簡単で掃除が楽な金属と認識されているのではないでしょうか。
ステンレスの誕生は、20世紀初頭に大砲や小銃の金属を開発していた学者が、研究材料のゴミ置き場の山から錆びていない金属を発見し、刃物メーカーの協力で卓上用ナイフを試作したところから始まったと言われています。
当時つけられた名前が「Stainless Steel」、日本名はステンレス鋼です。
ステンレス鋼は鉄を主成分にクロムを添加した金属です。ニッケルや炭素などの成分を含めた成分配合によって、JISでは100以上の種類が存在し、家庭用や建築用部材、自動車部品などに用いられています。
錆に強い仕組みは、ステンレスに含まれるクロムが酸素と結合して、金属の表面に特殊な被膜を作り、この皮膜が鉄の酸化(錆)を防いでいます。被膜自体が熱に強く、傷ついて破壊されても瞬時に再生するという特徴を持っているため、住宅ではキッチンのシンクなど、主に水廻りの商品に利用されています。
ちなみに日本産業規格(JIS)では、鋼(Steel)+用途(Use)+ステンレス(Stainless)の頭文字を取って「SUS」と呼ばれています。身近な商品で素材に「SUS」という記号がついている金属製品はステンレス鋼が使われています、という意味です。探してみてください。